最近、よく目にするようになった「LGBT」というワード。
LGBTとは、Lesbian(レズビアン:同性愛の女性)、Gay(ゲイ:同性愛の男性)、Bisexual(バイセクシャル:両性愛)、Transgender(トランスジェンダー:性同一性障害)の頭文字を取ったことばで、性的少数者のことを指します。
LGBT「性的少数者(セクシュアルマイノリティ)」にとって、自分のセクシュアリティ(セクシャリティ)を「カミングアウト」するということは、「自分らしく生きる」ためにとても重要なポイントとなります。
しかし、誰にどのタイミングで言うか、どんな風に伝えれば良いのかわからないままカミングアウトをしてしまい、「カミングアウトなんてしなければ良かった」なんて、自分が傷つき悲しい想いをすることも少なくありません。
今回は、筆者の体験談を通して、LGBTが周囲の人にカミングアウトをするときに知っておいてほしいことを、5つご紹介します。
◆目次◆
筆者プロフィール
広島県在住の20代熱血ブロガーのさーちゃんです。
元小学校教員で、現在はブログを書きながら、自然体験活動や子どもたちの心を育む教育をしようと奮闘中です。
個人ブログ「ちりつも」を運営中なので、よかったら遊びに来てくださいね!
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セクシュアリティは「レズビアン」で、現在同性のパートナーがいます。
LGBTを「カミングアウト」をする理由
筆者は、今までに家族、友人、好きな人、職場(学校現場)などにおいて、LGBT(レズビアン)であることを「カミングアウト」をしてきましたし、メディアを通じて公にLGBTであることを「カミングアウト」してきました。
ただ、ここまで自分のセクシュアリティをオープンにできたのは、本当に最近のことです。
以前は、
- 「女の子が好き」なんてバレてはいけない
- 周囲から「差別・偏見」を受けるんじゃないか
- 「人と違う」って、いけないこと
だと考えていました。
そして、会話は周りの友達に合わせて、「男の子が好きな女の子」を演じていました。
「好きな男性のタイプは??」
「彼氏できた??」
「結婚は考えてるの??」
「子どもは??」
周囲の女友達は、当然何気なしに「男性が恋愛対象だ」という前提で質問します。
そして、筆者もその質問に合わせて答えていました。
でも、筆者は「嘘をつかなければいけない」状況がだんだん辛くなり、「本当の自分」を隠すことに違和感を感じ始めました。
- 自分に正直に生きたい
- 好きな人(女性)の話を堂々としたい
- 周囲の人に少しでもLGBTの存在を知ってもらいたい
そんな想いが強くなり、「カミングアウト」をしていくことを決意しました。
LGBTのカミングアウト:家族へ
筆者にとって、LGBTであることを一番カミングアウトしにくかったのが「家族」です。
自分の伝えたい気持ちや受け止めてもらいたい気持ちが強いぶん、「LGBTであることを受け止めてもらえなかったり、誤解されたらどうしよう…」と悩みました。
というのも、学生時代に付き合っていたパートナー(女性)をどうしても母に認めてほしくて、「実は、女の子と付き合っていて、結婚したいぐらい好きなんだ」と焦って伝えたことがありました。
しかし、母親からは、「それは『親友』ってこと?女の子が恋愛対象ってどういうこと?男の子と結婚する可能性がないわけじゃないよね?」と質問されてしました。
その時の筆者は、若かったこともあるのですが、母の質問にうまく答えらずとても傷つきました。
- 母にわかってもらえなかった
- 焦って言ってもダメだ
- きちんと説明できるようになる必要がある
そう学んだ筆者は、つぎの3点をとおして、自信をもって自分のセクシュアリティを語れるようにしてきました。
- 「LGBT」や「カミングアウト」に関する情報を集める
- 自分のセクシュアリティを話せるLGBTの仲間を作る
- 自分の恋愛を見直し「本当に女の子が好きなのか」を考える
今なら、母親がなぜあんなに質問してきたかはよくわかります。
母親もLGBTに関する知識をあまり持っておらず状況がつかめなかったのだろうし、「自分の娘がレズビアンだなんて、信じたくない。普通に男性と結婚してほしい。」と直感的に感じたからではないかと思います。
年月がたち、筆者が学生から社会人になってから、再度母親に(今回は父も一緒に)カミングアウトしました。
「私は、体は女だし、そこに違和感はないの。ただ『恋愛対象は女の子』で、今は彼女がいる。男の子のことは、恋愛対象として見れないの。」
はっきり自分のセクシュアリティを言葉で伝えました。
ここで初めて、母と父から「あなたが幸せなら、誰と一緒にいても良いし、あなたらしく生きなさい。」と、LGBTであることを受け止めてもらうことができました。
LGBTであることをカミングアウトして受け入れてもらえることは、本当に嬉しいものでした。
その後は、祖母、兄弟、と順番にLGBTであることをカミングアウトしましたが、自分が自信をもって伝えているので、「さーちゃんらしくいられれば、それで十分だよ」と受け止めてもらえました。
家族には、本当に感謝しています。
LGBTのカミングアウト:友人へ
筆者にとって、友人へLGBTであることをカミングアウトすることは、そこまで難しくありませんでした。
学生時代に、生まれて初めて「彼女」ができた筆者は、信頼できる友人に「彼女がいる」ことを伝えたところ、相談に乗ってもらうことができました。
筆者がLGBTであることをカミングアウトした友人たちは、次のように筆者に伝えてくれました。
- 別に「女の子が好き」でも、さーちゃんはさーちゃんでしょ。
- 別にいいじゃん!むしろ楽しそう!
- 言ってくれて、ありがとう。
筆者の場合、友人たちに恵まれていたことも大きかったと思っています。
でも、「この子には、伝えたい。」という自分の強い思いと、相手が事実を受け止めてくれるだけの余裕がある状況かを見極められれば、思い切って言ってみて良いと思います。
どれだけ友人に伝えたくても、友人自身が何かに悩んでしんどい状況であれば、LGBTであることはカミングアウトするタイミングではありません。
お互いがお互いの話を十分聞けるタイミングをみて、カミングアウトしてみましょう。
LGBTのカミングアウト:職場へ
筆者は、小学校の教員として勤務していたことがあります。
学校現場で「LGBT」について語ることは、「タブー視」されている感がとても強かったです。
- 思春期になれば、自然と異性を意識しだすもの
- 大人になったら、結婚して子どもを産むのが普通
教員という職業は、「スタンダードな生き方」を示す存在としての役割が大きいもの。
学校現場では、「マジョリティ向け」に話が進んでいくので、教員時代の自分は肩身が狭く感じてしまいました。
ですが、自分のような「マイノリティ」は、実はすぐ身近にいるということを、先生方にも子どもたちにも知ってほしくて、校長先生に相談しました。
筆者の場合、仕事をする上で支障があったわけではなかったのですが、次のことを校長先生へ相談しました。
- 自分のセクシュアリティを説明したいこと
- LGBTであることをカミングアウトしたい理由
- カミングアウトする人たちの範囲
校長先生は大変理解のある方で、何度も話し合い、段階的にLGBTであることをカミングアウトをすることに決まりました。
- まずは「職員」に伝える
- 次に「クラスの子どもたちや保護者」に伝える
- 最後に「全校児童」に伝える
職場では、自分ひとりの行動が全体に影響を与えることが多々あると思います。
もし、「職場の人たちにLGBTであることをカミングアウトをしたい」と考えるなら、「上司や管理職に相談する」ことをおすすめします。
特に、トランスジェンダーの方は、業務に支障が出るほど辛い思いをしている可能性も高いでしょう。
LGBTであることをカミングアウトしたい旨をきちんと説明することで、周囲への理解が進んでいきますよ。
LGBTのカミングアウト:恋愛感情をもっている人へ
恋愛感情を持っている女子へLGBTであることをカミングアウトすることは、かつて筆者にとっては死活問題でした。
恋愛感情を持っている相手が自分と同じセクシュアリティであれば、「恋愛対象」としてすぐ認識してもらえます。
筆者が今まで付き合ってきた女性の中には、いわゆる「ストレート(異性愛者)」の方もいました。
- 好きな女性の「恋愛対象」になるにはどうしたら良いんだ?
- 相手は「女友達」って思ってるよね…
- 「あなたが好き」なんて、とてもじゃないけど言えない…
好きな女の子に対してLGBTであることをカミングアウトして「嫌われたらどうしよう」、「友達としても接してもらえなくなったらどうしよう」そうずっと悩んでいました。
しかし、はっきり言って「LGBTであることをカミングアウトをしなきゃ、いつまでたっても片想い」で終わってしまいます。
筆者も、学生時代に彼女ができるまでは、どれだけ好きでも「どうせ自分は好きになってもらえない」と諦めて、片想いばかりしていました。
でも、「どうしてもお付き合いしたい!」と強く思った女の子(のちの初カノ)に出会ってからは、なりふり構わず、たくさん自分からアプローチしていきました。
アプローチをしていくうちに、恋愛に自信がなかった筆者も、少しずつ自信をもてるようになりました。
そして、念願であった「好きな女の子とお付き合いする」ことができました。
もっと詳しく「同性へのアプローチ方法」が知りたい方は、ぜひ恋愛に自信がない人必見!自分の「恋愛必勝パターン」の作り方伝授!!|ちりつもを読んでみてくださいね。
あなたのヒントになることがきっとあると思います。
LGBTをカミングアウトする際に絶対してほしい5つのこと
ここまで、筆者がLGBTであることを「家族」・「友人」・「職場」・「恋愛感情がある人」への「カミングアウト」した体験談をお伝えしました。
ここからは、LGBTであることをカミングアウトする体験談を通じて、筆者が学んだ、誰に対しても「カミングアウト」するときには、必ずしておいた方がいい5つのポイントを紹介していきます。
ポイント①:焦らない・気持ちが固まるまでは言わない
自分が「LGBTであることをカミングアウトしたい」という気持ちは、心からの願いですか?
自分自身がカミングアウトすることに対して迷いがあったり不安が強いのであれば、まだ時期尚早です。
相手に「焦り」や「不安」が伝わってしまいます。
「私は私。」
そう言い切れるまでは、しっかり自分を見つめ直しましょう。
ポイント②:LGBT仲間を作る
あなたは、一人で戦っていませんか??
あなたのセクシュアリティを受け止め、理解してくれる仲間はいますか??
同じ立場で悩みを相談することができて、共感し合えるLGBT仲間がいるのといないのとでは、同じ「カミングアウト」をするという行動でも、自分の心の負担が違ってきます。
実際のところ、筆者もLGBT仲間ができてから、自分のセクシュアリティをカミングアウトすることに、あまり抵抗がなくなっていきました。
そして、「自分は一人じゃない」と思えるようになりました。
今はインターネットやSNSのおかげで、自分と同じセクシュアリティの人とつながることができます。
安心して帰れる自分のホームを少しずつ作っておきましょう。
ポイント③:自信をもって自分のセクシュアリティを説明できるようになる
あなたは、自信をもって自分の「セクシュアリティ」を語れますか?
自分で自分のことがよくわかっていない段階でLGBTであることをカミングアウトをしても、相手には「不信感」や「違和感」が伝わってしまいます。
筆者が初めて母親にLGBTであることをカミングアウトした時のように、カミングアウトされた側の人はあなたに「どういうこと?」と質問してくる場合が多いと思います。
LGBTに関する知識を、まずは自分が学び、「自分には、こういう部分があるんだ」ときちんと説明できるようになりましょう。
相手に質問されたときに自分の言葉で答えられるようになれば、「この人はしっかり自分と向き合って、たくさん考えてきたんだな」と相手に伝わりますよ。
ポイント④:話すタイミングと環境を整える
LGBTであることをカミングアウトしようとしている相手は、いまどんな状況ですか?
安心して話ができる環境は整っていますか?
LGBTであることをカミングアウトをするということは、自分だけでなく、打ち明けられた相手も色んなことを考え悩んでしまう可能性があります。
相手の身辺状況や心理状態を把握して、どういうシチュエーションで伝えるか、どんな風に話を進めるか、しっかり考えましょう。
同じ相手でも、告白する状況次第では、受け止められるものも受け止められなくなる可能性だってあります。
自分だけでなく相手のことも思いやって、LGBTであることをカミングアウトを実行しましょう。
ポイント⑤:受け止め方は相手次第という心構えをしておく
「相手に分かってもらえなくても、それはそれで仕方ないこと」と割り切れていますか?
自分がいくら考えたところで、「相手がどう受け止めるか」はコントロールすることができません。
あなたにとって「自分はLGBTであることのカミングアウト」が、「100%相手に受け止めてもらえないと辛い」のであれば、カミングアウトはしない方が良いです。
自分が自分のセクシュアリティを受け入れていくのに時間がかかったように、LGBTであることをカミングアウトされる相手にも受け入れるための「ある程度の時間」が必要な場合があります。
長い目で見て、時間がかかっても、LGBTであることを伝えたいと思える人に告白するようにしましょう。
そして、すぐには受け止めてもらえなくても、腐らず、焦らず、理解してもらえるように、伝え続けましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、筆者の体験談を通して、LGBTが周囲の人にカミングアウトをするときに知っておいてほしいことを5つ紹介しました。
「カミングアウト」するもしないも、あなたの気持ち次第ですし、カミングアウトすることが100%正しいとは、筆者は思いません。
ただ、少しでも「自分の気持ちを正直に伝えたい」、「自分らしく生きたい」という気持ちがあるのであれば、ぜひご紹介した5つのポイントを参考に実践してみてください。
最初の一歩を踏み出すことがとてつもなく怖いと感じるかもしれませんが、踏み出してしまえば、少しずつ少しずつ、あなたの周りの景色が変わっていきますよ。
応援しています!
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